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肌触りの良い柔らかく優しい正絹が品格を感じさせるこちらの産着は、使われるカラーも文様も古典の美しさに溢れています。黒と抹茶色が交互に描かれていますが、「絞り染め」で染め分けられているところが特徴的です。伝統的な染色法として知られる「絞り染め」は、染色の際、生地を糸で括ることで括った部分に染料が入らないようにする技法。それだけ手がかかり、時間もかかることから、全体に絞り染めが施された着物は高級品として古くから大切にされていました。細かな丸い斑点の文様も同様に「絞り染め」によって描かれた模様であり、よく見るとひとつひとつ斑点のサイズや形がちがうところが立体感や温かみを感じさせます。家紋のように丸く囲まれた文様はどれも伝統的な縁起の良いものばかり。願いを叶えてくれる「打出の小槌」、長寿の象徴「丁子」、富の象徴「分銅」、永遠を意味する「七宝」は人生を豊かにする宝物として「宝尽くし」と呼ばれます。吉祥文様として知られる植物文様は、繁栄を表す「松」、瑞鳥が棲むと言われる「桐」、そしてまっすぐ実直に伸びる「竹」です。男の子のが健やかに幸せに成長しますようにという願いが込められた産着です。