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産着全体が大きな景色となっている珍しいデザインですが、男の子の成長を願う親御さんの思いが表現された心温まる産着です。鳥の目から見た景色を表すように描かれる、目下に広がる海や田畑には、遥か遠くまで見渡すことができる広い視野を持って欲しいという願いが込められています。それは立派な大人になった時に、先を読む力や物事の本質を読み解く力を持っていれば、人生の大きな決断や問題にも立ち向かうことができるからです。そんな思いを日本画のような美しい景色を背景に、全体に散りばめられた宝物の文様はさらに全体を上品に、そして豪華に仕上げます。これらの宝物を合わせて「宝尽くし」と呼び、幸せな人生になるよう男の子を守ってくれる吉祥文様です。丸い形をした「七宝」は4つ重なった円の様子を描いており、永遠を意味しています。またむかし話でよく目にする「打出の小槌」は願いを叶え、「巻物」は知識や知恵を象徴。巾着袋のような形をした「金嚢（きんのう）」は財宝を入れる宝袋です。また楽器も2つ描かれています。形が美しい「鼓」は能楽で使われ、管楽器の一つである「笙（しょう）」は雅楽に用いられます。楽器はよく鳴るという言葉が転じて、物事が良く成ると言われているおめでたい文様です。