黒地の着物に薄紫の色模様が美しい訪問着、ピンクに咲いた牡丹も華麗に描かれひときわ豪華な装いをときめかしてくれます。牡丹は古くより多様な呼び名を持っています。「富貴草」「百花王」「花神」「花王」などどれも花の姿に相応しい呼び名です。細く真っすぐな茎の先に小さな丸いつぼみから大輪の花を咲かせる姿は「美しき女性の座る姿」にもよく例えられていますね。もともと牡丹は中国原産で新年のお祝い事には欠かせない植物だったようです。牡丹の花言葉は広くは「王者の風格」や「富貴（ふき）」「恥じらい」などがあります。シルクを思わせるような花びらが幾重にも重なり、ふんわりと丸まった姿が王者の風格に相応しいとも言われています。牡丹の牡の字は「オス」と言う意味を持っており、雄しべや雌しべが花びらに変化し種が出来ていくことから「牡」として形容されたと言われています。また牡丹の「丹」の字は「赤色」を意味しています。牡丹のピンクや赤の色からも理解できますね。世界中の人々を魅了する牡丹の花は素敵な女性の装いを豪華にそして潤色を添えてくれることでしょう。