鮮やかな温かみのあるオレンジに色とりどりの花絵柄が美しい訪問着、ビタミンカラーで心が躍るようですね。花の代表格ともいえる牡丹（ぼたん）の花、花の中で百花の王と言われています。小さな丸いつぼみから大輪の花びらがこぼれるような花弁を咲かせることから「美しい女性の座る姿」に例えられますね。「幸福」や「富貴（ふき）」「高貴」など素敵な意味が込められています。ともに描かれている菊の花は、長寿の象徴とされていて薬草や食用に用いられることも多いです。また咲かせる花びらが丸いことから太陽を思わせ花の中でも最高位に位置づけられています。天皇家や皇家の御紋としても有名ですよね。厳しい冬を耐え忍びいち早く香り高い花を咲かせる梅の花は「忍耐力」や「美」を意味しています。また梅の毎の字は「母」を意味しており「子を産み育てる美しき母の強さ」を込め尊んできたのでしょう。香気が強く邪気を払うと言われている花菖蒲は、古くから薬草として珍重されており健康を保つとされています。解毒作用がある花菖蒲は魔除けにも使用されています。そのほか「嬉しい知らせ」や「心意気」「優しい心」「優雅」「信頼」など多くの意味があるようです。訪問着のひとつひとつの花を見ていくと深い意味が込められており素敵な装いを演出してくれることでしょう。