淡く優しい色味の訪問着。着物地の色は「淡黄蘗(うすきはだ)」と呼ばれ、黄蘗染(きはだそめ)の明るく淡い黄色です。明るいのに儚げな「淡黄蘗」は、まるで暗い水平線から顔を出したばかりの月の色のようだと表現される、上品でどなたでも似合いやすい優しい雰囲気が魅力です。そして縁起のいい意味が込められた花々の文様が沢山描かれます。「牡丹」は、姿の美しさと豪華さから「百花の王」とされ、富貴、高貴、幸福を表しています。姿、色、香りが優れている「菊」は、太陽の形に似ていることから、最も位の高い花とされてきました。長寿や不老不死の意味も込められます。「梅」は厳しい冬が終わると香り高い花をいち早く咲かし、「松」は年中美しい緑を絶やさないことから、逆境に負けない力強さや生命力を表しています。自分自身の品格も高めてくれる色味や文様は、おめでたいシーンにぴったり。お祝いの気持ちと着物を結び付けて装うと、晴れの場がより華やかになることでしょう。