ブルーベースのお肌の方に似合うといわれるスモークピンク地に、舞い咲く桜花と雪輪文様がエレガントな雰囲気の訪問着です。上前中央で咲き誇る百花は、春錦のような風情。おとなしやかな雪輪には桜や菊などの吉祥花が詰められています。雪輪は雪の結晶をかたどったような美しい文様。豊年を意味します。桜は春爛漫の風情を奏で、菊は延命長寿を寿ぎます。ちなみに桜の花言葉には「優美」のほか「精神美」がありますが、面白いことにアメリカでも桜の花言葉は「spiritual beauty(精神の美)」です。この訪問着全体のたおやかな印象はソフトな色遣いで作られています。けれども例外は、みずみずしい生命力を力強く謳いあげているような赤やブルーでふちどられた菊や椿、そして朱赤の花たち。その百花の園から裾近くに視線を移すと、地色はクリーム色に変わります。後ろ身ごろは、なよやかな枝垂れの桜と桜吹雪。吉祥花が詰め込まれた雪輪がしっとりとした後ろ姿を演出します。