淡いパープルのお着物にちょっと大きめに描かれたお花が上品で美しい訪問着です。こちらはデザイナーとして世界的にも有名な桂由美によるデザインです。桂由美というと、バラをモチーフにした黒留袖などの斬新なものや、mtu_106のような柄がくっきりはっきりとしたシャープなデザインのお着物が多いのも特徴です。こちらの訪問着はそういったお着物とは対照的に、やわらかな印象のデザインになっています。こちらの訪問着ではお花の柄とお着物の色の境目は、遠くから見るとあまりはっきりとしていません。そのためにおぼろがかったふわっとした雰囲気に仕上げられています。拡大画像を見ると、お着物にはラメや金の加工もほどこされていることがわかります。歩いたり座ったりするときらきらと輝いて美しいことでしょう。また、少しふっくらとシャーリングのようになっていることもわかります。これは絞りという技法です。糸できゅっときつくしばってったり、縫い目をぎゅっと縮ませたりします。それから生地を染めることによって白いところを染めずに残したり、シャーリングのようなくしゅっとした部分ができたりします。とても手間がかかる工程ですが、高級感のある仕上がりが魅力です。