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古くからの都である京都では、「雅」なものが好まれました。着物地は「京紫(きょうむらさき)」と呼ばれる、京都で染めた紫の意で、赤みがかった紫色のことです。京紫は優雅さを感じる上品で落ち着いた紫色をあらわしています。描かれる文様もおめでたい吉祥文様ばかり。着物中央に大きく描かれる「薬玉」は源氏物語にも登場し、歴史が古く、元々は端午の節句に魔除けとして飾られたもの。薬草である菖蒲や蓮の花を編んで玉を作り、５色の糸を通して飾っていました。女の子のお祝い着では色彩豊かに花々が描かれ、可愛いブーケのよう。不浄を払い邪気を避け、長寿を願う意味が込められた縁起のいい文様です。「桜」は、咲き誇る姿から繁栄や豊かさを表しており、また春に咲くことから新しい門出を意味します。「菊」は、太陽の形に似ていることから、最も位の高い花とされてきました。長寿や不老不死の意味も込められます。「梅は」、厳しい冬が終わるといち早く香り高い花を咲かすことから、逆境に負けない力強さ、忍耐力、生命力を表します。落ち着いた上品さがありますが、非常に華やかで、特別な日におすすめしたい一着です。