注文

あでやかな色使いで個性を主張する大正ロマン風のお着物です。目の覚めるようなくっきりとした大胆なデザインですが、晴れ着にふさわしい格式を感じさせますね。それは、お着物の地布に黒を使い全体を引き締めているからなんですよ。黒は最も格式の高い色であり、昭和の時代には黒引振袖と呼ばれる黒い花嫁衣装が主流でした。現代でも、既婚女性の最も格式の高いお着物は「黒留袖」といって、地布が黒いお着物です。個性と格式の高さを両立させたこのお着物は、現代的なおしゃれがしたいお嬢様と、伝統的な格式を求める大人の両方が満足できるお着物です。可愛らしくデフォルメされた文様は梅、松、牡丹、鹿の子などの伝統的な吉祥文様です。すべてにおめでたい意味が込められているんですよ。例えば「梅」は一番寒い時期に花が咲くので「忍耐」「不屈」、「松」は1年を通して葉が落ちないので「長寿」、「牡丹」は小さなつぼみから大輪の花が咲くので「大成する」などの意味があります。どれもお子さまの成長をお祝いするハレの日にふさわしい文様です。こってりとした大正ロマンのデザインはビビットな色使いでも乙女チックな印象を与えますね。七五三の主役がお召しになるのにふさわしいお着物です。