注文

薄ピンクの着物と白の被布が組み合わさって、品のある雰囲気を感じさせています。まず目に留まるのは高級感たっぷりの「手毬」の刺繍。女の子の遊び道具として身近な存在であった「手毬」は、その丸い形のように、女の子の人生が幸せで円満なものでありますようにという願いが込められています。また地域によっては、厄を避けるお守りとして結婚の際に持たせたという風習もあるほど、女の子にとって大切なアイテムでした。そんな「手毬」を金糸の刺繍のみで表現するという贅沢なデザインは、繊細さと高級感を感じさせます。また赤やパステルカラーを使った花の文様は、絞り染めによって描かれています。絞り染めとは、染めたくない場所を糸で縛ってから染色することで、縛った場所には色が入らない染色方法です。手間がかかるだけでなく、技術も必要となりますが、その分独特の雰囲気を醸し出してくれます。真っ赤な「梅」は寒い時期に綺麗な花を咲かせ、春の到来を知らせる存在であることから、忍耐や健康の意味を持つ吉祥文様。伝統技術とおめでたい文様を使った、七五三の席にふさわしい1着です。