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芥子色（からしいろ）の羽織に数々のおめでたい絵柄が描かれています。それは3歳の七五三をお祝いしてくれているようです。神通力のある仙人は“松”の木を住みかとして、松の実を食べると不老不死になると言われ、また雪風に耐え、厳寒や酷暑にも常緑を保つことから長寿延命の印とされています。羽織のお背中には豪華な寶船（たからぶね）が、堂々と描かれています。船に乗せるものは各地の宝物や珍品、縁起物、金銀など、男の子の人生の航海に一生ものに困らないようにとの願いが込められています。寶船とともに描かれている兜（かぶと）は、戦国時代の武将が身分の高さや豊かさ、権力の証として豪華に立派に装飾していました。もちろん戦いでの身を守るものとしても役立ちました。そんな兜の絵柄は現代で「病気や事故から子供を守って欲しい」との願いが込められているのでしょうね。袴に描かれている菱形（ひしがた）文様は、その昔菱（ひし）という水草の植物でその実が四角い形をしていたことから菱形（ひしがた）と呼ばれるようになりました。そんな菱形は「豊かさの象徴」として時代とともにデフォルメされ花菱文様など多くの人に用いられるようになりました。