白く優雅な花が華麗に漂うさまが美しい手描き友禅作家宮崎玄祥の黒留袖。友禅は古くは元禄時代に京都から生まれたものです。京都の知恩寺の近くに住んでいたとされる扇面師：宮崎友禅斎が始まりとされています。宮崎友禅斎の画風を着物の意匠に取り入れ、華麗な染の分野に生かされて今の友禅に引き継がれています。京友禅の歴史の中で忘れてならないのは京都の地下水にあるとされています。良質な水によって華やかな色艶や、柄に息吹を与えていると言っても過言ではないでしょう。また金箔を巧みに使う技も手描き職人ならではの繊細な手法と言えます。描かれている花にも意味があります。葉にギザギザした所がなく、すらりとした茎の先に可憐な花を咲かせる芍薬の花。美しい女性の立ち振る舞いのたとえとして表現されていますね。アジアが原産で江戸時代に薬用植物として渡来しました。その時代は「茶花」として観賞用としても好まれていたようです。牡丹科の花でもあるため、牡丹との違いに迷いそうですが葉っぱの違いでわかります。牡丹の葉はギザギザで、芍薬はすっとして艶がある所です。花言葉は「恥じらい」「慎ましさ」そして「しあわせな結婚」です。バラのような甘い香りも特徴です。