水の流れが涼しげに描かれたこちらのお着物には、婚礼の席にふさわしい文様が描かれています。「おしどり」は大きく華やかな毛色をしているオスと、小さく大人しい色をしたメスが一緒に行動していることが多く、その姿からおしどり夫婦という言葉が生まれました。夫婦円満を意味しています。共に描かれる「杜若」は、古くから日本に咲く水辺の植物で、涼しげな印象をプラスしてくれます。また水の流れは「流水文様」と呼ばれる古典文様。1滴の水も大海原の大河もどれも水であり、水は様々な形に変化しながらも止まることはありません。そんな水の流れに日本人は永遠の意味を重ねました。こちらの黒留袖には、永遠に夫婦円満で穏やかに楽しく暮らせますようにという願いが込められています。