桂由美といえば、ウェディングドレスのデザイナーとして知られていますが、実は着物のデザインもされているんです。こちらの黒留袖は桂由美らしいモダニズムを取り入れつつ、しっかりと古典的な美しさも表現しています。和洋を融合した眩しいほどの美しい仕上がりです。一番に目につくキラキラと輝く「薔薇」は、ラメの入った糸による刺繍を施すことで、眩く浮かび上がるかのよう。近代になって西洋から日本に入ってきた「薔薇」は、その可愛らしさから愛情という意味を持っており、古典文様にも負けないほど、お祝いの席にはぴったりの文様です。また薔薇の上に描かれた「扇子」は扇面が透けていて、レースのようなデザインになっています。日本の古来から使われる「扇子」の文様とは一味違い、海外のもののようです。そんなところも和洋を融合させたようで、遊び心があります。また着物全体の文様配置は古典的ですが、色味はエメラルドとパープルを多用することで、モダンな雰囲気を醸し出しています。古典とモダンを見事に融合し、物語の1ページを描いたかのような美しい世界をお楽しみください。