色数は多くなくても、これだけ鮮やか。淡いグラデーションがとても目に心地よい印象を与えてくれ、金彩が光を受けて控えめに輝きます。手描き友禅作家「和田光正」氏の《金彩友禅黒留袖》です。刺繍とも見まがうような金彩の立体感。「京の名工」「日本の名工」「秋の叙勲・瑞宝単光章」と、様々な評価を受けているのが、手仕事の間違いなさを表しています。このお着物をお召しになれる方はとてもラッキーです！今回のモチーフは「更紗（さらさ）」です。一口に更紗と言っても、インド更紗、ジャワ更紗など様々。もともとは、簡単にいうとインド風の植物模様などを木綿の布に染めたもののことですが、今では異国情緒あふれる文様そのものを指すようになっています。エキゾチックな雰囲気と、黒留袖のフォーマルさが、上手くマッチしています。さすが、《金彩友禅》のなせる技。異文化の融合、という言葉がぴったりです。植物文様のナチュラルな美しさ、染めの美しさ、金彩の美しさ。３つも美しさを同時に味わえる、贅沢な一品。特に植物文様は、生命力の象徴であり、輪廻転生の象徴。唐草の曲線は、心の柔軟さやしなやかさを表します。優しく暖かく見守るお立場の方に、ぴったりのお衣装です。