清らかな流水と共におめでたい絵柄が描かれている黒留袖。「丹頂鶴」の神秘的な姿が目を引きます。鶴は一度つがいになると生涯共にすると言われ「夫婦円満」や千年令の「長寿」の意味が込められています。幸せを願うお祝いの席には好まれて描かれています。鶴の横に描かれている「牡丹」の花は女性の座る姿によく例えられていますね。小さなつぼみから大輪の花を咲かせ見るものを魅了させたのでしょう。零れ落ちそうな花びらがとても美しいです。そのため百花の王とも言われ「幸福」や「富貴（ふき）」を意味しています。厳寒や酷暑にも耐え緑の葉の色を変えない「松」は常盤木（ときわぎ）と言われています。神通力のある仙人が住むとされ、またその松の実を食すため「延命長寿」の木とも言われています。松と共に描かれている「菊」の花は中国より渡来され薬用や食用とされてきました。皇家の紋章としても有名ですね。花の何の中でも一番くらいの高い花として位置づけされています。「長寿」や「無病息災」「邪気祓い」の意味が込められています。流れる水が美しい「流水」は清らかで腐らずお浄めの意味があるとされています。「苦難」や「火難」をさらりと流してくれると信じられ厄除けのお守りとしても用いられています。