流水の文様とともに、まるで水面にゆれるがごとく花々が描かれ、クロード・モネの睡蓮と同じような、幻想さと優雅さを思い浮かばせる、ステキなおキモノです。描かれている花は、格調高く、無病息災を意味する「菊」、魔除けや長寿を願う「しょうぶ」、富と格調高い「ぼたん」などであって、必ずしも水辺の植物ではなく、吉祥の花になります。流水文様は、清らかさを表し、気品のある絵柄です。また、かすみのように描かれたぼかしが、さらにこの絵柄を幻想的にさせています。雪輪や、地紙とともに描かれている「唐花（からはな）」は、正倉院由来とされている文様です。正倉院とは、古代中国から渡ってきたとされる宝物を収めるための宝庫です。唐花文様は、その正倉院に収められている古代裂（こだいぎれ）などからいただいた文様です。 唐花の原型は「蓮」や「ぼたん」ともといわれており、シンプルでありながら、華やかさや気高さを感じる文様となっております。唐花文様があることで、エキゾチックさと、古典的雰囲気を残しつつも、幻想さをもあわせ持つ魅力的なおキモノとなっております。