絵柄の中央に幔幕のある祝宴の風景が描かれていて、佳き日の想いが高まるおキモノです。「幔幕（まんまく）」とは、屋外で人目を避けるために張り巡らされた幕のことです。その昔、中では花見などの宴が催されていました。 このおキモノでは、「桜」だけでなく「菊」や「ぼたん」などの四季折々の花が描かれています。そのため、桜の花見だけでなく、秋の紅葉狩りをもイメージさせるので、季節を問わずお召しになっていただけます。また、福々しい「雪輪」と「団扇（うちわ）」が、まるで幸せを表す満月のように描かれています。さらに、そこを鶴が舞い飛ぶ姿が、情景を美しくしています。 鶴が必ず2羽で描かれていることから、夫婦の鶴を表し「夫婦円満」を意味しています。 また、これからの成長を表す「若松」、災いを流す「流水」、良いことが起こる兆しを表した「雲」など、おめでたい文様が満載です。 金駒刺しゅうや箔加工などの、職人による手の込んだ昔ながらの技法もほどこされていて、古き良き古典の味わいを感じさせるおキモノです。