金彩技法を用い日本の美を世界には発信する桂由美コレクション。箔を用いた流れる姿が美しい熨斗目柄には宝尽くしと言われる文様が惜しみなく描かれています。宝尽くしは金?、七宝、隠れ笠、巻物、打ち出の小槌、分銅、宝寿、鍵　筒守、丁子、隠れ蓑などを組み合わせおめでたい祝宴の儀を華やかに演出してくれます。黒留袖のおひざ元には貝桶と言う絵柄が描かれています。貝桶はもともと貝合わせの貝を収めるものです。貝合わせの遊びでは、貝は二枚の貝で一対という事もあり夫婦円満と夫婦和合の象徴とされています。さらに留袖を豪華にしているのは牡丹の花。百花の王と言われ富貴や豊かさの象徴として祝儀にはよく用いられています。ともに描かれている菊の花は、中国古来より薬草としても珍重されており無病息災の意味をなしています。さらに松竹梅のおめでたい絵柄。すべてのおめでたい絵柄の代表格ともいえます。松の延命長寿、竹の天にも昇る力強さ、厳寒を乗り越えいち早く香り高い花を咲かせる梅の花。これほどまでにおめでたい絵柄の黒留袖は華やかさをさらに後押ししてくれることでしょう。