流れる水の上に満開の花々いっぱいの竹籠が置かれています。流水はその流れる姿から人生にたとえられ、苦難があったとしても流水のように流し、常に清らかでいられるように、という願いを込めて古くから着物の文様に使われてきました。そんな人生を思わせる水に流れる竹籠には美しい四季の草花が入れられ、「花籠」と呼ばれています。四季の草花とは、それぞれの季節に咲く植物のことで、「牡丹」「菊」「梅」「カキツバタ」「紅葉」などが描かれています。中心に描かれている向かい合わせになった鶴は「向鶴文」です。鶴は長寿の意味を持つ瑞鳥として古くから日本で愛されてきましたが、「夫婦円満」の意味も持っているのはご存知でしょうか。鶴は夫婦になるとその相手と一生添い遂げるそうで、そこから夫婦が円満に暮らせるようにという意味を持つようになりました。こちらのお着物の「向鶴文」からも夫婦で向き合い、仲良く生きて欲しいという願いを感じます。お祝いの席にぴったりの1着です。