鶴が飛び立つ水辺の情景が目に浮かぶかのような、美しい文様が描かれた一着。裾にはダイナミックな青海波。その上には“宝尽くし”が描かれます。“打ち出の小槌”や“宝巻”、“隠れ蓑”などです。そして日本で古くからおめでたい場に欠かせない組み合わせとされてきた“松竹梅”。松は年月を経て大木へと茂った姿で、天高くまで届きそうな威厳あふれる雰囲気をかもしだします。松の間には“牡丹”、“菊”が色鮮やかに描かれます。それらの花は、他の絵柄と同様、非常に縁起の良い吉祥文様です。お着物の中に華やかさをもたらしてくれます。そして優雅な鶴の姿は目をひきつけるものがありますね。鶴は、古くから日本人に愛されてきた鳥です。気品あるたたずまいが美しく、また長寿のシンボルとして描かれています。美しく縁起の良い絵柄に包まれ、華やかで幸せな気持ちで満たされる、そんな一着でしょう。