情熱的に美しく、大きく描かれた「バラ」の花が、印象的なおキモノです。金彩加工や刺しゅうでさらに彩られたバラは、花の時期が長いので「永遠の繁栄」を意味する縁起の良い文様です。明治以降から、積極的にキモノの文様として取り入れられるようになり、古典にある和花とはまた違った、洋花が持つ独特の絢爛豪華な印象を与えてくれます。バラとともに「蘭」などのさまざまな洋花も描かれており、それによりさらに華やかさが加えられ、魅惑的な雰囲気もともなっております。そのバラに、1匹の「蝶」がアクセントとして描き加えられています。蝶は姿かたちが美しいだけでなく、「長寿」の意味も持つ文様です。また、天へ昇ることから「未来への希望」もあわせ持ちます。自由に動く生物は、花とはまた違った生命力が与えられ、絵柄の中に躍動と物語を生んでいます。 洋花と蝶がそれぞれ持っている甘美さもあいまって、お召しになる方をも魅力的にする一品となっております。