年1回3月に京友禅競技大会が行われます。伝統ある友禅と現代柄の融合を競い合いさらに発展している京友禅。この黒留袖はそんな伝統ある競技で日本染色京会長賞を受賞した作品です。お着物全体に咲き誇る八重桜。目を引く色鮮やかな色彩が祝宴の儀に華を添えています。桜は日本の国花でもあり古来より人々に愛されてきましたね。そんな桜の木には五穀豊穣の神が宿るとされ「豊かさ」の象徴であります。桜の「さ」は「田の神様」、「くら」は「神の御座」を意味しています。桜とともに描かれている菊の花は、花の中で一番くらいの高い花として位置づけられています。「長寿」や「無病息災」「邪気祓い」などの意味があります。皇家の紋章としても有名ですね。また薬用や食用として使用されています。お酒に菊の花を浮かべて飲むのはそんな意味があって珍重されているのでしょう。そんな花々とともに描かれている菱形唐花紋も黒留袖のあでやかさを引き立ててくれています。色彩あふれる日本染色京会長賞の黒留袖は祝宴の儀を、華やかに彩りを添えてくれることでしょう。