牡丹と菊の花が金刺繍でほどこされ豪華な印象を持つ黒留袖。この留袖は毎年3月に行われる京友禅競技大会にて優秀賞を受賞した作品です。歴史ある京友禅と現代柄の融合を新しく表現しています。磨き抜かれた技術や意匠、日々の技術研鑽や思いを込めて製作しました。素晴らしい技術のたまもので仕上げられた牡丹の絵柄は、「幸福」や「豊かさ」「そして「気高さ」を意味しています。題材でもある七宝は、その名のごとく7つの宝の意味を持っています。宝の中身は「金」「銀」「瑠璃」「波瑠」「珊瑚」「真珠」「瑪瑙（めのう）」です。丸い形から「円満」や「豊かさ」を表し、また子孫繁栄の意味も込めているため古来より大変好まれて描かれています。牡丹と共に美しく装飾されている菊の花は、天皇家や皇族の御紋であることはご存じかと思います。「長寿の象徴」であるほか「無病息災」など良い意味が沢山込められています。そのため花柄の中でも一番くらいが高い花として位置づけられています。そんな京友禅受賞作品に袖を通すと気持ちが優雅になることまちがいないでしょう。