大ぶりの薔薇とリボンに、思わず目を奪われました。とっても華やかですね。この一着だけで、その場がより一層明るくなりそうです。薔薇、カラー、百合、蘭…。洋花には、和花にはないパッとする華やかさがあります。豪華というか、あでやかというか。そういう意味では、少しドレス的な印象のある留袖かもしれません。所々に、蝶を模した小花が飛んでいます。とっても可愛らしい感じ。お花に蝶はつきものですよね。文様の世界には、取り合わせというものがあって、「波に千鳥」のように、二つのものを組み合わせて意味を見出すということがあります。“花に蝶”は、美しいもの同士の組み合わせで、この上ない、といったところでしょうか。春を迎える喜びのイメージも湧きますね、慶びごとのお席にぴったりです。唐草文様も、少しエキゾチックな雰囲気があります。どちらかと言うと、アラベスクと言った方が、マッチするかもしれません。柄全体に統一感が出ますね。唐草文様は、エジプトに起源をもつと言われていて、太古の昔から縁起の良いものとされてきました。いわば、歴史に守られた留袖です。従来のお着物とは、少し一線を画する一着。お洋服の中にいても、馴染みの良いデザインです。