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まるで絵巻の中の世界を色打掛に表現したかのような、雅やかな情景が描かれています。色鮮やかな刺繍には重厚感があり、描かれる文様はどれも伝統的なものばかり。すっと背筋を伸ばして立っている姿や、羽を広げて優雅に飛び立つ姿が描かれているのは「鶴」です。おめでたいことが起きる前兆を表す瑞鳥として、古くから大切にされてきました。「鶴は千年、亀は万年」と言われるほど、延命長寿を象徴します。加えて、一度パートナーとなった相手と生涯ともに過ごすことから夫婦円満の象徴でもあり、婚礼衣装としては最上級の縁起の良い文様です。着物全体に草花が描かれていますが、特におめでたい意味を持つのが「松」。松竹梅とも表される、おめでたい文様の象徴です。寒い冬の間であっても緑を保つことから、長寿・繁栄の意味があります。また庭園の散歩を思わせる「御所車」は平安貴族の移動手段であり、その華やかな外装が目に留まる豪華なデザイン。平安時代の繁栄を象徴し、品格を感じさせることから、現代でも格の高いお着物によく使われます。着物全体から結婚の喜びと古典の美しさを感じさせる古風で鮮やかな1着です。