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こちらの色打掛には、ストライプや四角などの直線がたくさん使われており、伝統的な配置とは違って、モダンな印象を強く感じさせますが、よく見ると、品格のある古典文様ばかりが描かれています。まず優雅に空を舞う「鶴」は、古来よりおめでたいことが起きる前兆とされており、その美しい立ち姿や飛び姿に昔の人は永遠の命を重ねていました。そのため延命長寿を意味するとされています。また一度夫婦となった「鶴」は、その相手と一生離れず暮らすことから、夫婦円満の象徴としても尊ばれています。また、夫婦で一緒に子育てをするというところも、今の時代の家族の形にも合っており、婚礼の席には特に向いている文様です。また全体に配置された線の中には、伝統的な草花の文様がいっぱいに描かれています。四角い形の中心に描かれている「牡丹」は理想郷に咲く富貴の象徴として、幸せな人生が待っていますようにという願いが込められています。百花の王ともよばれ、女性の気品を象徴的な文様です。そのほかには、「菊」「桔梗」「椿」など、四季を感じさせるように、古くから日本にある草花が色とりどりに描かれています。何度も何度もめぐる季節のなかで、夫婦仲良く暮らせますうようにという願いの詰まった色打掛です。