おめでたい席はやっぱり正統派の色留袖を装いたいという方におすすめの一枚です。知性を感じさせるすっきりとした地色に浮かぶのは、羽を広げた優美な二羽の鶴。鶴といえば、古くから瑞鳥として崇拝されてきました。立ち姿の神々しさ、飛ぶ姿の豪華さから、今でも格式高い場の装いに多く用いられています。男性らしさの象徴とされる松と一緒に描かれている鶴は、新郎。そして女性らしさを感じさせる梅のそばにいるのは新婦。仲睦まじく向かい合う様は、希望に満ちた二人のこれからを思わせるようです。波文がイキイキとした躍動感を加え、情景を更にドラマチックに仕立てています。波文の下には、大胆に金のラインが入り、斬新な印象。アシンメトリーなデザインに現代らしい雰囲気が漂っていますが、中に描かれているのは宝尽くしという古典文様。打出の小槌や宝巻などが散りばめられ、楽し気な雰囲気を醸しています。