正倉院文様と洋花が美しい色留袖。鬘帯（かずらおび）も優雅に舞い踊る様子が華やかさを彩っています。鬘帯（かずらおび）とは、能楽で額の上からしめて鬘の上から後ろで結び、長く垂らしておく帯の事です。鬘帯にはさまざまな装飾や絵柄が施され、女性役がつける衣装の一つです。正倉院文様といわれる文様は、奈良時代に建てられた東大寺の大蔵の中の法具や染織ものを描いたものとされ有職者や学者などが身につけていた衣装に良く描かれていました。そのため高貴で知的な印象があります。正倉院文様とともに描かれている花々も素敵な意味があります。バラの花は「愛と美」の象徴で、ナポレオンの妻出るジョセフィーヌもバラの魅力にハマり世界中から集めて住んでいたお城に集めたそうです。それほどまでに世界中の人々から愛される花です。また満開のバラの花は「私は人妻」という意味もあるそうですよ。バラとともに描かれている「胡蝶蘭」はシンメトリー（左右対称）に花を咲かせることから「完全なる美」と言う意味を持っています。またピンクの胡蝶蘭は「あなたを愛しています」と言う意味があるそうです。なんとも素敵な意味の込められた素敵な色留袖ですね。