色留袖をお召しになる場面というのは、めっきり少なくなってしまいました。そんな特別な機会・時間だからこそお召しいただきたい、「桂由美」の色留袖をご紹介いたします。平安文化の華やかで煌びやかな流れを、そのまま図案に採用したのがこちらのお着物です。桂由美は、日本のブライダルシーンに欠かせない人です。パリに留学中、ウエディングドレス姿のモデルを見てから、そこに特化したデザイナーになることを決意した彼女。着る人が一番美しく見えるように、計算し尽くされたデザインで人々を魅了します。それはドレスだけでなくお着物も同様です。十二単は、平安貴族女性の装束でした。お雛様も着ているそれは、襲色目（かさねいろめ）が美しいと言われています。色の重ね方も様々で、季節感や気持ちを表現したそうです。奥ゆかしい雅な文化ですね、言葉にせずとも色で表現するとは。そんな十二単がデザインされたお着物を着るだけで、なんだか気持ちも平安美人になって、落ち着いて大事な場面を迎えることができそうです。前身頃から後ろ身頃にかけての、柄の移ろいがとても美しい。まるでドレープを効かせたドレスのような豊かさやエレガントさを感じます。格調高いお着物ですが、気負うこと無く装えるのは、桂由美デザインなればこそと言えるでしょう。