少しシックに装いたいとき。あまり派手になりすぎたくない時。グレーはとっても重宝なお色目です。こちらの色留袖は、ご存知「桂由美」のデザイン。多くの女性から、一度は着てみたいと憧れを集めます。着る人を美しく見せるデザインと、豪華な刺繍や金箔など細部にまでこだわったディテールが魅力です。メインの文様には、菊の中でも「乱菊（らんぎく）」というタイプのものを用いました。花びらの見事な開き具合とともに、華やかさとおめでたさも満開です。菊は、中国から日本へ伝えられました。中国では菊のことを「仙花」と呼び、薬の力を持つと言われてきたそうです。美しく刺繍で縁取られた菊は、見ているだけで神秘のパワーを受け取れそう。神々しささえ感じます。また、菊にはこんなお話も。「菊づくり　菊見るときは　陰の人」。この句は、“手間暇を惜しまず愛情をかける菊づくりは、子供を育てることと同じだ”として、結婚披露宴で見送る側の立場を表していると言われます。一見豪華な見た目ですが、かげからそっと幸せを願う日本人らしい心がそこにはあるよう。ユミカツラの大切にしているジャポニズムの精神を表現する、品の良い美しさです。