全体的に淡い色味を使ったシックな印象ですが、様々な色を使って描いた文様は、着物を華やかで可愛らしく仕上げてくれています。小川に流れる水とそこに咲く草花を表現していますが、そこに重なって描かれる四角い文様は、和歌などを書くのに使われた「色紙」。それぞれの「色紙」には季節の花や伝統文様が描かれており、華やかな存在感が上品さをプラスしてくれています。「流水」は、1滴の雫から大河まで姿を変えることから、人生を表します。穏やかな水の流れのように平穏な日々が続きますようにという願いが込められています。裾寄りに描かれている「菖蒲」は、実際に水の近くに咲く花であることから、「流水」と「菖蒲」の組み合わせで描くことで清涼感が着物全体に広がるよう。気品や吉祥の意味がある伝統的な文様を使うことで、シックな雰囲気の中にも華やぎが感じられる素敵なデザインとなっています。