背景に穏やかな波と流水が描かれ、雪輪と四季の草花がクラシカルなニュアンスで配された典雅な趣のアイボリー地の色留袖です。雪輪の配色は淡い青緑色と茶色。青緑色の地色には金箔が散らされ、ぽってりした椿が咲いています。茶色地には淡い色調の色紙をちぎった柄が置かれ、古典的な文様でありながら洗練された新味が感じられる雪輪になっています。雪輪からこぼれるように咲く草花は、牡丹のほかは桔梗やおみなえしなどの秋草。勢いよく飛び出たススキの葉にみずみずしい生命力が感じられます。もうひとつの雪輪には吉祥文様の松や草花が詰め込まれ、グレーがかった水色と茶色の配色が大人女性の感性をくすぐります。後ろ身ごろは、たおやかな筆致の白波が優雅に波打ち、おめでたい鶴が雪輪に詰められ、和の風情を奏でます。まるで一幅の日本画のような雰囲気の色留袖は、大人女性の淑やかな美しさと品格を引き出す一枚です。