繊細な感性で、日本の美しさを世界に発信しているブライダルファッションデザイナーの桂由美。こちらは、フォーマルドレスもエレガントにデザインする桂由美ならではの色留袖です。ピンクの地色をした色留袖の中で目に留まるのは、金彩技法で縁取りされた“雪輪文様”。大雪が降ると雪解け水が豊富になり、豊作につながることから、雪は豊穣を意味するおめでたい文様です。雪の結晶が溶け残った様子を描いた雪輪文様は、儚い雪の様子と優美な形から、昔から愛されてきた柄。雪輪の中は、金駒刺繍で紡がれた桜・菊・紅葉・青もみじと美しい植物文様で彩られています。雪輪の周りには満開の桜。物事の始まりを意味し、五穀豊穣を願う縁起の良い文様です。一斉に咲き誇り、そして花びらが舞い散る様子が描かれ、美しさと儚さの両面を表現しています。裾線にかけては、花文様を優雅にあしらった熨斗（のし）、楓、菊、松、霞などのおめでたい吉祥文や風流な文様が淡い紫と白をベースに描かれ、お着物に気品を与えています。より立体的に絢爛豪華に魅せる金彩加工が施されていながらも、ふんわり優しい色合いと華麗な意匠により、優美で上品な色留袖になっています。桂由美の世界観が、すみずみまで表現されているといえるでしょう。美しさは儚いもの。その美をつなぎとめるように、一瞬の刹那を閉じ込めた意匠に魅了される色留袖です。こちらを装うと、品のある美しい着こなしが出来ますよ。