こちらは、はんなりと優しげな雰囲気を持っている色留袖です。ピンク系のやわらかな色あいのお着物に白やピンクの吉祥花が咲きそろっています。こちらに描かれている花は、縁取りや色あいが特徴的です。本物の花をそのまま描いたものよりもデザイン性が高く表現されています。ピンク系の花は花びらの縁がゴールドやシルバーで太めの縁取りがしてあります。輪郭がはっきりしていることと、花の中心に向かって濃い色にグラデーションがかかっていることで、お着物の色と同系でもしっかりと存在感のある柄に。シルバーに見える花がいくつかありますが、それは刺繍で描かれています。細い移動をくるくるとうずを巻くようにとめていき、一枚一枚の花びらを形づくっています。シルバーの糸をとめるのにピンク系の糸をつかうと、花全体がピンクがかって見えるように。おしべやめしべも全て糸で表現されていて、とても手が込んだつくりです。