エンジ色からイエロー、ネイビー色へと彩のグラデーションが美しい振袖、水面に咲いた桜が舞い上がる様は目をみはるものがあります。エンジ色とは、「黒みを帯びた深く艶やかな紅色」とされ、古来中国より伝わった化粧紅の臙脂（えんじ）の名前から由来したそうです。詳しくは、中国の燕（えん）と言う地方でとれた紅の色が大変美しかったことからその名がついたそうで歴史を調べるととても奥深い色なのがわかります。それだけ魅力のある色なのですね。その色味をさらに艶やかにしている桜の花々、神話の時代、木之花咲耶姫（このはなさくやひめ）が富士山頂上より種をまいたことで日本に広まったと言われているようです。今では桜といえば日本と言えるほど世界中に愛されていますね。桜には五穀豊穣の神が宿るとされ「豊かさ」の象徴であり、「優美な女性」や「精神の美」など素敵な花言葉も持っています。桜のふもとには命にとってかけがえのない流水が流れています。流水はけがれなく清いことから「苦難や災厄をさらりと流す」とされお浄めや火難除けの魔除けにもなっています。