クールな濃紺地に、たっぷりの花柄がよく映えるお振袖。地色はブルー系なんですけど、柄が暖色系なので、明るく見えます。比較的大人っぽく仕上げたい方向け。何種類もの花が重なり合うように描かれているところは、お振袖ならではのデザインですね。この時にしかできない装いだから、存分に味わってほしいな、と思います。さて、一体何種類の花がデザインされているか、数えてみることにします。牡丹、菊、桜、八重桜、橘、藤、椿、松、楓…わかるだけで9種類！それぞれ咲く季節は様々で、実際の世界では同時に見ることはできないので、お着物ならではの贅沢さと言えます。花の後ろ、お袖や裾の方に流れるように描かれているのは、「熨斗（のし）」と言います。ご祝儀袋の右上にあるあれと同じもの。実は熨斗とは、アワビを乾燥させて薄くスライスしたもののことで、昔は神様へのお供え物として献上されるものでした。つまり、それを描くということは、神様とのつながりが生まれるということ。着物の格式がアップしますし、お守り的な要素もあります。品良く大人っぽく、レディライクにお振袖姿を楽しみましょ。