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濃緑地に、あざやかな色彩で、うつくしく文様が描かれている振袖です。色とりどりのたくさんの花が、リアルな表現で描かれています。しかし、ポイントとなるのは「貝桶（かいおけ）」の文様です。貝桶とは、平安時代を起源とする「貝合わせ」という遊びで使う貝を、収納しておく道具です。この六角形の桶は、きれいに装飾がされていて、貴族の嫁入り道具の1つでした。今は、ひな人形の道具の1つとしても残っています。この文様は、「遊び」をイメージさせることから、とてもやさしい印象があるので、人気があります。また、それだけでなく、「良縁」や「夫婦円満」を願う文様でもあります。ほかにも、「花車（はなぐるま）」という文様も描かれています。これは、貴族の乗り物であった牛車に、四季折々の花をたっぷりと乗せた文様です。この2つの文様があることで、高貴なイメージを感じられるおキモノになっています。背景には、水の流れる文様が美しく、雪輪や扇の形がリズムよく、たっぷりの花がうつくしく描かれています。背の高い方向けのサイズですが、上半身は文様が少なくすっきりとしておりますので、やさしいイメージで着こなしていただけます。