たっぷりの菊の花が嬉しいお振袖。タイトルは「菊花爛漫」です。まさに、咲き乱れている様子が実に華やかですね。地色はミントグリーンのかなり薄めのお色で、爽やかな印象もあります。菊の花は、パスポートや皇室の御紋にも使われていて、とても高貴な花とされています。日本の花というイメージがしっかり付いていますが、実は昔々のこと、中国大陸からもたらされたものなんです。もともと、薬草として渡来したもので、大陸では「仙花」と呼ばれていました。“菊の花からとった朝露を飲むと寿命が延びる”とか、迷信のような話が信じられていたんです！今でも、9月の重陽の節句で、その風習が残っています。クラシックスタイルを、現代の新しい色彩感覚で。全体を、ビビッドな色使いではなく、やんわりと優しい色で表現しました。明度が高いので、お顔映りもグッド。裾にかけてのさりげない色ぼかしも、心にくし。お袖に隠れた、雅なお道具たちも、必見です！