幾つもの吉祥文様を取り合せたシックな紫地の振袖は、可憐で賑々しくも華やか。レトロでアンティークな雰囲気も漂います。吉祥文様とは、古くから使われてきたおめでたい意味を持つ文様のことです。この振袖で真っ先に目を引くのは、上前中央に置かれた水色の鹿の子絞りの大きな雲取り文に重ねたクリーム色に橙をぼかした雲取り文です。水色の雲取り文にはキラキラした七宝つなぎが詰められています。七宝つなぎは、円を1/4サイズずつ連ねていく文様のこと。七宝とは、仏教でいう金、銀、瑠璃などの七つの宝を指すのだそう。またクリーム色に橙をぼかした雲取り文には青や紫、オレンジ色の絞りで染められた丸いカタチが詰められ、愛らしい桜も添えられています。桜には刺繍がほどこされてゴージャス感も。絞りも、刺繍も手の込んだ高級感のある技法です。たくさんの吉祥文様と技法を可憐にまとめあげた振袖は、どんなシーンも煌やかに彩ってくれるでしょう。