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蘭茶色（らんちゃいろ）から玉子色へのグラデーションが美しい振袖、流れる流水の水面に華やかな桜の風流な趣を感じます。蘭茶色（らんちゃいろ）は茶がからせた赤みのある黄褐色の和色の事です。現代では大きな意味で「からし色」と表現されます。「四十八茶百鼠」の一つとして江戸時代より大変人気のあった和色の一つだったようです。蘭茶色（らんちゃいろ）より薄めの色味は玉子色と言い、それまでは平安時代より「鳥の子色」などと呼ばれていたようです。卵黄を模した明るい黄色の事で、江戸時代前期から流行色の一つとして好まれていたようです。とても明るく新鮮なイメージのお色で生き生きとした生命力を感じますね。そんなお色に素敵な桜の花が描かれています。幾重にも重なった花びらが美しい八重桜、八重とは桜の総称で、ヤマザクラやサトザクラから変化したものでボタン桜とも言われています。日本人とも関わりも多くお祝い事には欠かせない絵柄となっていますね。花びらが多いことは知識が多いとされ、「精神の美」や「高尚、理知に富んだ教育」など知的な意味が込められています。豊かな趣の桜を描く振袖は知的で凛とした美しさを感じます。