卒業式袴着こなし方:振袖、二尺袖、訪問着の違いとは?|着物ライフスタイル

卒業式袴の袖の長さの違い

卒業式は、学生にとっても先生にとっても人生の大きな節目。
その特別な日に、最高の装いで輝きたいと思うのは当然のことです。

袴選びはもちろんですが、袴に合わせる着物を何にするのかも重要です。
卒業式袴に合わせる着物として人気なのは「中振袖」「二尺袖」「訪問着」ですが、どれを選べばいいのか、迷っていませんか?
この記事では、卒業式にふさわしい装いを選ぶためのポイントを詳しく解説します。
卒業式を控えている皆さん、ぜひ参考にして、最高の一日にふさわしいスタイルを見つけてください。

目次

そもそも袴とは?

袴は下半身に着用する日本の伝統的な衣類の一つです。
宮中行事や冠婚葬祭などの正式な場では正装として用いられ、神職や武道の稽古着、地域の祭りなど特定の行事にも袴が使われています。

卒業式に袴が選ばれる理由

袴の歴史は長く、起源は古墳時代まで遡ると言われています。
もともとは男性のものとされていましたが、平安時代になるころには、宮廷に仕える身分の高い女性が十二単の一部として身に着けるようになります。
その後明治時代に入り女学校が増えたことで、着物よりも動きやすく、学問の場にふさわしいという理由から「女学生の制服」として着用されるようになりました。

その当時の女性の進学率はとても低く、「女学生」となれるのは一部の限られた女性のみで、進学できない女性たちにとっては憧れの対象だったそうです。
そのため、女性の袴姿は「女学生」=「学ぶことができる女性の象徴」というイメージが広がり、現代の「卒業式に女性が袴を着る」というスタイルに受け継がれてきました。

また、現代では袴を着る機会が少なくなり、学生最後の大切な日を華やかで特別な装いで迎えたい、という思いで袴を選ぶ方も多いです。

袴に合わせる着物は?

一般的には、袴に合わせる着物に特別な決まりはありません。
卒業式という場にふさわしいフォーマルな装いであれば、お好きな着物を選んでも大丈夫です。

定番のスタイルは、こちらの3種類です。

  • 二尺袖(小振袖)
  • 中振袖
  • 訪問着

二尺袖+袴

二尺袖

二尺袖(小振袖)は約75cmの袖丈を持つ着物で、振袖に比べて袖が短く、軽やかで動きやすいのが特徴です。
カジュアルで可愛らしい印象もありながら、学問の場にふさわしい品を併せ持つため卒業式では二尺袖を選ぶ方が多いです。
現代的なデザインも豊富なのでコーディネートの汎用性も高く、成人式の振袖姿とはまた違う雰囲気を楽しみたい、という方にもおすすめです。

中振袖+袴

中振袖

中振袖は未婚女性の正装として知られ、卒業式だけでなく成人式や結婚式でも着用されます。
振袖は袖が長いほど格式が高いとされていて、二尺袖よりも豪華で煌びやかな印象を演出できます。
振袖の華やかさを引き立てるためには、シンプルなデザインの袴を選ぶことがポイントです。

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訪問着+袴

訪問着袴

訪問着袴は、訪問着と袴を組み合わせたスタイルで、未婚・既婚を問わず着用できる準礼装です。
訪問着は肩から胸・袖にかけて一続きの絵のように柄がつながる「絵羽模様」が特徴的で、繊細で上品な雰囲気を醸し出します。
特に決まりはありませんが、女性教員の方が卒業式で袴に合わせる着物として一般的なのはこの訪問着袴となります。卒業生よりも少し控え目で落ち着いた色柄を選ぶといいでしょう。

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袴丈の選び方

1. 身長にあわせた選び方

身長が高い方

長身の方には、やや長めの袴丈が理想的です。
縦のラインや縦柄のデザインを選ぶことで、スリムで洗練された印象を与えることができます。
さらに、中振袖を選ぶと、女性らしいフェミニンな雰囲気が引き立ち、華やかな袖の柄が一層映えます。

身長が低い方

小柄な方には、短めの袴丈がバランスを良く見せる秘訣です。
袖が長いと地面に触れたり踏んでしまったりするリスクがあるため、中振袖を選ぶ方は注意が必要です。
その場合、ブーツを履くことで身長を少し補い、全体のバランスを取ることができます。ブーツはモダンな雰囲気を演出してくれるので、コーディネートのアクセントにもオススメです。

袴丈の測り方は?

アンダーバストの約5㎝下から垂直にメジャーを降ろし、お好みの丈を測ります。

自分の身長にちょうどいい袴丈が分からない場合は、実際に測ってみることも一つの手です。
事前に試着ができない時や、ネットでのレンタルや購入を検討している方は、ご自身に合う丈を事前に測っておくことで、着用時のイメージが付きやすくなるでしょう。

袴丈の測り方

2. 履物にあわせた選び方

卒業式の袴選びでは、履物によって選ぶ袴の長さが変わります。
ここでは、草履とブーツ、それぞれの履物に合わせた袴丈の選び方について解説します。

まずは身長に基づいて袴丈の目安を決めて、その後履物に合わせて調整することで、より美しい袴姿になります。自分のスタイルや好みに合わせて、草履またはブーツを選び、それに最適な袴丈を見つけましょう。

草履は長め丈、ブーツは短め丈

草履は長め丈

草履を履く際の袴丈は、くるぶしが少し隠れるくらいの長さに合わせるのが基本です。
丈が短いと足袋の上から出る素足が見えてしまうことがあり不格好になってしまいます。
ただし逆に足首全体が隠れるほど長い丈だと、裾が床についたり踏んでしまったりする可能性があるので、ちょうどいい丈を測って選びましょう。

草履のメリット

  • 上品で古典的な雰囲気を演出できる
    草履は和装の基本的な履物であり、卒業式のようなフォーマルな場にふさわしい上品な印象を与えます。古典的なスタイルを重視する方には最適な選択肢です。
    また、足元がすっきりと見え全体のシルエットが美しく整いますので、可愛らしさや清楚さも感じられます。
  • 着脱しやすい
    草履は脱ぎ履きが簡単で、立ったまま履けるため、着崩れの心配が少なくなります。卒業式当日、長時間の移動や式典の最中でも安心して履ける履物です。
  • どんな柄にもあわせやすい
    草履はさまざまな柄の着物や袴に合わせやすく、コーディネートの幅が広がります。
    古典的な柄からモダンな柄、レトロな柄まで、どのスタイルにも馴染みやすいのが特徴です。着物や袴の色に合わせた草履を選ぶことで、全体がきれいにまとまります。

草履のデメリット

  • 鼻緒ずれして痛い
    草履に慣れていない人は、鼻緒が擦れて足が痛くなることがあります。
    特に新品だと鼻緒が硬くて鼻緒ずれしやすいので、事前に履き慣らしたり、揉み解して柔らかくしておいたりするなど、足に馴染みやすくなる対策をしておくといいでしょう。
    また履くときには指を密着させすぎず少し余裕を持たせて履くことで、鼻緒ずれを軽減できます。
  • 足元が冷えやすい
    卒業式が行われる2月や3月はまだ寒さが残る季節です。草履は足先を覆わないため、冷えやすいというデメリットがあります。防寒対策として、足袋を厚手のものにするなどの工夫が必要です。
  • 天候に左右されやすい
    雨や雪の日には、草履を履くと足元が濡れやすくなります。足袋が濡れると冷えが増すため、できれば予備の足袋を持っておくと安心です。

ブーツは短め丈

ブーツを履く場合は、草履の時よりも約3cm程度短く袴丈を設定するのがポイントです。
ブーツは足元にボリュームがあるため、袴丈を短くすることで全体のバランスが良くなり、スタイリッシュな印象を与えます。
ブーツと袴の組み合わせは、現代的でおしゃれなスタイルとして人気があり、動きやすさも兼ね備えています。
当店ではブーツのレンタルも行っています。ぜひ、卒業袴と合わせる際に参考にしてください。

ブーツのメリット

  • レトロでモダンなスタイルを演出できる
    袴とブーツのコーデが女学生スタイルとして定着したのは明治後期から大正時代といわれています。このスタイルを取り入れることで、レトロでおしゃれな雰囲気を演出できます。
    和洋折衷の魅力を楽しみたい方には、ぴったりのコーディネートです。
  • 歩きやすい
    ブーツは普段から履き慣れている方が多いため、草履に比べて歩きやすいという利点があります。特に長時間の移動がある卒業式では、足の負担を軽減できるのが魅力です。
  • スタイルアップ効果
    ブーツのヒールによって、脚が長く見える効果があります。身長を高く見せたい方や、スタイルをよく見せたい方にはブーツがオススメです。
  • 雨や防寒対策にも
    ブーツは内部が見えないため、寒い季節には靴下やタイツを履いて防寒対策ができます。
    また卒業式当日が雨の場合、草履では足袋が濡れてしまう心配がありますが、ブーツならその心配は不要です。悪天候でも足元を気にせずに済むのは、大きなメリットです。

ブーツのデメリット

  • 紐がほどけるリスク
    袴に合わせるブーツは、編み上げタイプが一般的です。しかし、紐がほどけてしまうと、慣れない袴姿では意外と結び直すのが大変です。
    結び直す時に着付けが崩れるリスクもあるため、結ぶ際には注意が必要です。
  • 着脱が手間
    紐を結んだりほどいたりするタイプのブーツでは、脱ぎ履きに時間がかかるため、特に小学生のお子様にとっては少し手間がかかります。
    当日ブーツを脱ぐ場面があると事前に分かっている場合は、ジッパー付きのブーツを選ぶことで、よりスムーズに脱ぎ履きできるでしょう。
  • デザインを選ぶ必要がある
    ブーツのデザインによっては、卒業式という式典に適さないカジュアルな印象になってしまうことがあります。選ぶ際は、フォーマルな場にふさわしいデザインを選ぶことが大切です。
    選ぶポイントは、色は黒や濃い茶などのダークカラー、またはベージュが無難で、式典に適した落ち着いた印象を与えます。
    また、ヒールは5㎝~8㎝程度の太いものが見栄えが良く、袴を美しく見せてくれます。
マイセレクトのサイズ目安

当店は4種類の袴サイズをご用意しています

対応身長
草履を履く場合ブーツを履く場合
ショート
(袴丈87cm)
145-149cm150-155cm
ノーマル
(袴丈91cm)
150-150cm156-162cm
セミロング
(袴丈95cm)
156-162cm163-168cm
ロング
(袴丈99cm)
163-168cm
  • 対応洋服号数は9~13号です。(全サイズ共通)スリーサイズの一番大きいところが97cm位までが綺麗にご着用頂ける目安です。
  • 着物の裄丈は68cmです。(全サイズ共通)
  • 幅広サイズはご用意がございませんのでご了承ください。

ブーツサイズ

対応cm底幅甲幅履き口
S22-22.5cm8.2cm14cm28cm
M23-23.5cm8.5cm14cm28cm
L24-24.5cm9cm15cm29cm
LL25-25.5cm9.2cm16cm30cm

マイセレクトの卒業袴レンタルはこちら

卒業袴レンタル

着物と袴の配色で印象に違いが!

卒業袴のコーディネートで大切なのは、色の組み合わせです。

主なパターンは、「同系色」と「反対色」の二つ。

同系色でまとめると、全体が調和の取れた上品な印象になります。
同系色はシンプルで落ち着いた雰囲気を演出できるため、クラシックでエレガントなスタイルを好む方におすすめです。

一方、反対色を組み合わせると、コーディネートにメリハリが生まれ、個性的で印象的なスタイルに仕上がります。大胆で華やかな雰囲気を楽しみたい方には、反対色のコーディネートがぴったりです。

配色のポイント

振袖の柄と袴の色を合わせる
振袖にあしらわれている柄の色と袴の色を合わせると、全体にまとまりが生まれ、統一感のあるコーディネートが完成します。色選びに迷ったときは、この基本を覚えておくと、バランスの悪い印象を避けられます。


卒業式にぴったりな袴のデザイン

卒業袴のスタイルは時代や流行とともに多様化してきており、年齢や好み、それぞれの個性を表現できるさまざまなデザインが登場しています。
その中でも、代表的なデザイン4種をご紹介します。

無地

無地の袴

無地の袴は最もシンプルでオーソドックスなデザインです。
装飾がないため、色の選択肢が豊富で、振袖との調和を重視したコーディネートが可能です。シンプルなデザインだからこそ、振袖の柄や色を引き立てることができます。
無地の袴は落ち着いた印象を与え、シックでエレガントなスタイルを好む方におすすめです。

柄物

柄物の袴

袴にも様々な柄や模様が入ったものがあり、個性を引き出したい方におすすめです。
コーディネートが難しいですが、デザイン性の高さや、モダンなスタイルを楽しめます。

ぼかし

ぼかしの袴は、グラデーションや色の変化を取り入れたデザインです。
無地のシンプルさを保ちながらも、おしゃれな雰囲気を楽しみたい方に向いています。
グラデーションのぼかしは、色の濃淡が美しく、下に向かって暗くなるデザインは脚長効果も期待できます。洗練されたスタイルを演出したい方に最適です。

刺繍入り

刺繍入りの袴

刺繍入りの袴は、より豪華で華やかな印象を与えるデザインです。
刺繍のデザインによって、華やかさや清楚さなど、さまざまなイメージを演出できます。
一般的には袴の裾部分に施されることが多いですが、背面やリボン部分にポイントとして刺繍が施されることもあります。

まとめ

卒業式の袴の選び方や袖の長さについて、そしてコーディネートのポイントについてご紹介しました。
卒業式は自分のスタイルを披露する絶好の機会です。自分が一番輝けるコーディネートを見つけ、特別な一日をさらに輝かせるために、自信を持って卒業式に臨んでください。
素晴らしい卒業式を迎えられることを心よりお祈りしています。

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