七五三に向けて、普段なかなか着ることのない着物を楽しみにしている7歳の女の子はたくさんいると思います。
この年齢の女の子が着る着物は、20歳の振袖と似たスタイルで、小物もたくさん必要です。
そのため、いつもの姿とは一味違った大人っぽくておしゃれな姿を見ることができるので、とても嬉しいです。
着物のことに詳しくない方もご安心ください!
必要なアイテムや便利なグッズを知って、大切な日に役立ててみてください。
きっと本人にとっても家族にとっても特別な喜びに満ちた時間を過ごせるでしょう。
3歳のときの着物は着られる?
女の子の七五三は3歳と7歳という、特別な節目の年齢です。
せっかくの着物ですから、長く着られたら嬉しいけれど、同じ着物が着られる?
3歳と7歳の着物の違いをご紹介します。
子供着物の裁ち方種類
子供用着物(生後から約12〜13歳までのお子様用の着物)の仕立て方は、大人用とは異なる特別な方法を取ります。
子供用着物の裁ち方のうちここで関連のあるものは、「一つ身」「三つ身」「四つ身」です。
一つ身(ひとつみ)
赤ちゃんから2歳くらいまでの幼児用の着物。
お宮参りの時の産着。
並幅の布を使って、背縫いをしないで仕上げる裁ち方です。
三つ身(みつみ)
2歳~4歳の子供用の着物。
3歳の七五三の着物。
並幅の反物の、半反を使って仕立てます。
身幅が多少狭いので、着られる期間は短くなります。
四つ身(よつみ)
4歳~12歳くらいの子供用の着物。
7歳の七五三の着物。
並幅の反物の、身長の4倍の長さの布を裁断して作ることから四つ身といいます。
3歳と7歳で同じ着物は難しい
3歳の時に三つ身の着物や仕立て直した初着を着た場合、7歳の七五三で同じ着物を着るのは無理があります。
大丈夫そうに思えても身幅が狭くて着物がはだけてきたり、着ていて窮屈に感じるでしょう。
3歳の時の派手目の色柄は、7歳にしては幼く見えてしまい、本人の好みにも合わないかもしれません。
3歳の着物
3歳の七五三には三つ身の着物、または、仕立て直した初着(一つ身)を着ることが一般的。
兵児帯(へこおび)を結んだり、着物の上から被布(ひふ)を着たり、小さい子ならではの可愛らしさが特徴です。
7歳の着物
背丈が伸びた7歳の七五三には、大人の振り袖に近い仕立ての四つ身の着物を着ます。
7歳の七五三は室町時代に始まった「帯解の義(本格的な帯を締める儀式)」が由来ともいわれ、しっかり帯を結ぶのも大事なポイントです。
着物の色柄が少し落ち着いて小物も増えるので、大人っぽい印象になります。
7歳の女の子の七五三に必要なものは?
着物
「四つ身(よつみ)」と呼ばれる子供用の着物が一般的。
帯
子供用の長さの帯を使います。
あらかじめ結んだ形の帯を巻くだけで良い
「結び帯」「作り帯」を使うと
慣れない着物での疲れや着崩れが少なく
着付けも楽で快適に過ごす事ができます。
長襦袢(半襟がついた状態)
着物の下に着るもの。
外からは衿だけが見えます。
帯揚げ
帯の上に結びます。
着物姿に色や柄を添えコーディネートのポイント。
帯締め
帯を着付けた後に帯の中央に締める紐のこと。
志古貴(しごき)
七五三のほかは、
花嫁衣裳や舞妓さんだけが使う飾り帯。
帯の下に後ろでリボン結びにする。
見た目も華やかになる。
腰紐(3本)
着物や長襦袢の着用時に利用されます。
コーリンベルト(1本)
着物を着用する際に使います。
腰紐で代用できます。
伊達締め
着物・長襦袢の襟合わせやおはしょりを
押さえるための紐のこと。
着付けを安定させるために使います。
足袋
和装用の靴下の役割を持った小物。
ストレッチ素材の足にフィットしやすいものもあります。
お子さんの足に合ったものを選びましょう。
扇子(末広)
お祝い事に用いられる扇子のこと。
末広という名前は
扇子を開くと先へ向かって広がる末広がりの形から。
筥迫(はこせこ)
着物を着たとき
胸元に入れている小さな箱型の小物入れ。
今で言う化粧ポーチのようなもの。
草履/バッグ
草履を履いたときに痛みを感じやすいのは「鼻緒」です。初めて草履を履く場合
太めで柔らかい鼻緒を選びましょう。
髪飾り
着物や被布と調和する色を選ぶことで
全体の一体感を演出することができます。
肌襦袢
長襦袢の下に着る肌着です。
専用の肌襦袢もありますが、普段から使っているステテコやキャミソール、シャツなどの肌着でも問題ありません。
特に肌に直接触れる肌着は、お子さんの快適さを考慮して選んであげると、当日に慣れない着物を着ていても心地よく過ごせるでしょう。
タオル
着崩れを防ぐために、体型の補正として使用します。
「箱迫」とは?
昔の化粧ポーチから七五三に残る小箱
筥迫(はこせこ)とは、女性が四つ身の着物を着た際に、胸元に携帯する小さな箱状の小物入れです。
筥迫は現代でいう化粧ポーチのような役割を果たし、江戸時代には武家の女性たちが化粧道具を胸元に隠し持つために使用されていたとされています。
筥迫には、懐紙・おしろいや紅筆、鏡にお守りなどを入れていたようです。
「夫以外の男性には染まらない」という意味があったり、大奥など位の高い女性たちが筥迫で贅を競い合い自慢したそうです。
現在では着物姿をより華やかな雰囲気にする和装小物として、サイズも小さくなりました。
身につける機会は特別
筥迫(はこせこ)は7歳の七五三のほか、成人式や和装の結婚式など、おめでたい行事ならではの和装小物です。
見た目にも豪華な刺繍やレースなどが施されたはこせこを身につけることで、特別な日に華やかで颯爽とした着物姿を演出することができます。
また、はこせこには金属製の「びら簪」(びらかん)が取り付けられているものも存在します。
はこせこの中にびら簪が付いていると、きらめきながら揺れ動き、贅沢な雰囲気を醸し出します。
昔はびら簪は髪を整えるだけでなく、自己防衛のために携帯されることもあったと伝えられています。
7歳女の子のおすすめの便利アイテムをご紹介
予測不可能な事態やお子さんの機嫌が崩れることも考えられる七五三。
完璧な準備を整え、自信を持って臨みたいですよね。
そこで、安心感をもたらすおしゃれなアイテムをご紹介します。
雨具
せっかく着物を着ても、雨で濡れてしまったら台無しです。
そこで、急な雨にも素早く対応できるアイテムを用意しておくことが大切です。
例えば、全身をしっかりとカバーできるポンチョや、裾を泥はねから守るための風呂敷を巻きつけることがおすすめです。
トイレ対策のクリップ・選択バサミ
小さなお子さんにとって、普段は一人でできるトイレも和装の場合は大変なことがありますね。
着物を着用している状態でトイレに行きたくなった場合には、必ず大人がお手伝いしてあげてください。
その際には、裾を捲り上げて、落ちないように念のためクリップや洗濯バサミで止めると安心です。
もし着物用のクリップをお持ちであれば、それを使用する方が望ましいですが、短時間のトイレの場合には洗濯バサミでも問題ありません。
このような対策を行うことで、お子さんが和装の状態でも快適にトイレを利用できるようになります。
食事汚れ対策のバスタオル・手ぬぐい・スモッグ
食事中は、着物に食べ物や飲み物をこぼさないように細心の注意を払いましょう。
ただ、いつも神経を使っているのは親御さんにとってもプレッシャーです。
心置きなく食事を楽しめるよう、首から下を覆ってくれるスモッグを着るか、首回りに手ぬぐいを巻いて、胸から下は大きなタオルで前掛けのようにすると良いでしょう。
タオルや手ぬぐいがずり落ちないように、スタイクリップや洗濯バサミなども準備しておくと安心です。
まとめ
3歳と比べて、7歳の着物姿はより華やかで、必要な小物も増えていますね。
大切な女の子の特別な日なので、忘れ物のないように注意してください。
また、慣れない着物で外出することは予測できない事態を引き起こすこともあります。
ご紹介した便利なアイテムも、万が一の時に役立つので、予防のために準備しておくことをおすすめします。
そうすれば、当日の不安要素が少しでも軽減され、大切な1日をご家族皆さんで楽しむことができるでしょう。
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