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こちらはなんと背中心から左右のデザインが異なる、パンチの効いた羽織です。現代だからできるような着物の印象も受けますが、実は“片身替り仕立て“という着物の左右が別々の生地で仕立てられた着物になり昔からある技法になります。片身替りの着物は、立ち姿がとても舞台映えするということで、能装束の衣装でも見かけます。こちらの羽織を身に付ければ、誰もが振り返るぐらい人目を惹きますよ。羽織の地紋は左右の身頃とも優美な印象を醸し出す紗綾型の文様が施されているので、光の陰影で、羽織をより風格のあるものに見せてくれます。黒の左身頃には、立身出世の願いが込められた龍と雲を中心に描かれています。荘厳な雰囲気で描かれているので、カッコいいものが大好きなお子様も、龍のイカツイ感じは苦手・・・とためらうママも大満足することでしょう。白の右身頃は、打出の小槌・丁子・花輪違い・分銅などの『宝尽くしの文様』が中心に描かれています。宝尽くし文様とは宝物を集めた、大変おめでたい吉祥文様です。実は黒の左身頃にも、宝尽くし文様の七宝花輪違い・丁子・分銅・隠れ蓑・隠れ笠が描かれています。白と黒の羽織全体に縁起の良い文様があしらわれているので、まさに男の子の門出を祝う七五三に相応しい着物です。羽織の中には、伝統色である、べんがら色の着物と黒い袴を着用し、個性と伝統の融合がとても美しい羽織を引き立たせる色合いになっています。片身替り仕立てという存在感も印象的ですが、将来の願いが込められた伝統文様にも注目したい羽織袴です。ぜひ、七五三の日には、男前に威風堂々と着こなしてください。